冠婚葬祭は人生の中でもマナーが重視される場ですが若い方ほど参列する機会は少なく、多くのマナーをすぐに身につけるのも難しいですよね。
そんな冠婚葬祭の中でも不幸は突然に訪れるもので、少し前から対策がとれる結婚式に比べて葬儀式の方が何かと慌ててしまう部分も少なからずあるはずです。
そんな葬儀式に参列する際に必要になるものが「香典」です。
その香典を包むための香典袋で1番の不安は「上手く書けないこと!」と、慣れない香典袋の書き方と答える方が多いんですよね。
そこで今回は、そんな香典袋の書き方のコツやポイント、さらにペンの種類など香典袋に関する事についてご紹介します。
香典袋に上手く書けないときの対処法!
葬儀式や法事に参列するのに必要な香典袋。
香典袋には表書きや名前を書く外袋、包んだ金額や住所、氏名などを書く中袋があり、いずれも手書きで書くことが一般的なマナーとされています。
故人や遺族を想って時間をかけて書いた、そんな温かい心を感じる手書きを重んじるのは日本人らしいマナーといえます。
しかしいくら字の美しさが最重要でないといわれていても慣れない香典袋に書くのは緊張するうえ、上手く書けなかったらこれでいいものか…?と気になってしまいますよね。
そこで香典袋に上手く書けないときこそ、実践してみてほしい対処法をご紹介していきます!
薄く鉛筆で下書きをしてから筆でなぞる
香典袋に文字を書くとき、難易度が上がるのは筆を使用しなければならない点ですよね。
日常的に筆は使用しないので書きにくいうえ、ボールペンなどとはまったく異なる書き心地です。
筆を使って一発で書こうとすると失敗してしまうことが多々ありますが、鉛筆を使って薄く下書きをしておくことでなぞるだけでキレイに書くことができます。
鉛筆であれば失敗しても消すだけで簡単に修正できてしまいます。
鉛筆はBや2Bのものを使うと芯が柔らかく消しても跡が残りにくいのでおすすめです。
筆でなぞったあとは、しっかり乾かしてから優しく消しゴムをかけておきましょう。
デパートなど香典袋を取り扱うお店で書いてもらう
デパートや文房具屋などで香典袋を取り扱っていますが、お店によっては購入時に頼むと書いてくれることがあります。
この手書きサービスに関してホームページなどに記載しているお店もありますが、分からない場合には来店前や購入をする前にしっかり確認をとっておいたほうが安心ですね。
また必ずしも無料のサービスというわけではないので、そこもきちんと確認しておきましょう。
ちなみに、伊勢丹新宿店では購入したお客さんには、買ったのし袋への表(名入れ)を、無料にてしてもらえるサービスがありますよ。
(※上記のサービスは購入時のみのサービスで、当日のお渡しはお一人さま3枚までだそうですよ。)
通販の代筆無料サービスを利用する
通販サイトでご香典袋を購入すると、無料で代筆してくれるサービスがあります。
手書きで代筆してくれるので、時間的に余裕がある時ならおすすめのサービスですよ。
香典袋に筆ペンで上手く書けない場合はサインペンでもいい?
香典袋の文字は筆で書かなくてはならないからこそ、苦手意識が高い方も多いですよね。
香典袋は毛筆や筆ペンで書くことが一般的なマナーとされています。
しかし毛筆や筆ペンを日常的に使い慣れている方は少数派かと思います。
そこで扱いやすいうえに使い慣れているという点から、サインペンやボールペンで書いたほうがキレイに書けそう!と思う方も多いですよね。
香典袋のマナーから結論をお話すると、サインペンやボールペンで書くのはNGです。
印字されている文字に対してサインペンやボールペンでは太さが異なるためつり合いが取れませんし、他の方の香典袋と並んだときに悪目立ちしてしまいます。
しかし必ずしも毛筆や筆ペンを使わなければならない!というわけではありません。
最近では毛筆や筆ペンを使用して書いたかのような文字に見える「筆風サインペン」が人気で、筆が苦手…という方でも驚きの使いやすさでおすすめです。
筆ではなくあくまでサインペンなのでペン先が短くしっかりした書き心地なのに、しっかりはねやはらいを表現できるので毛筆や筆ペンと並んでも見劣りしませんよ♪
筆ペンで書くときの書き方のコツとは
普段から使い慣れている方が少ない筆ペン。
しかし香典袋のマナーに沿って書くためにも筆ペンを使用したいところですよね。
そこで筆ペンを使って書くときに、抑えておけば書きやすくなるコツをご紹介していきます。
筆ペンはできるだけ立て気味に持って書く
筆ペンは基本的にボールペンなどの硬筆と同じ持ち方です。
筆ペンは穂先をいかにスムーズに動かせるかが、上手に書けるポイントの1つになります。
持ち方は同じであってもボールペンなどのように軸を寝かせて書いてしまうと穂先も寝てしまうので、コントロールしにくくなってしまいます。
筆ペンの穂先がきれいに動くようにするためにも軸を立て気味に持ち、力み過ぎず書くことではらいやはねまでも美しい文字が書けるようになります。
筆ペンに慣れるために色々な線を書いておく
筆ペンに慣れていないからこそ、筆ペンの書き心地を覚えるだけで文字の美しさがアップします。
練習は和紙などではなく普通のメモ帳やコピー用紙でOKです。
書くときのコツとして手首をしなやかに動かすことが大切です。
力を入れすぎず、まずはくるくると円を書いてみましょう!
意味のない落書きのように思うかもしれないですが、曲線は様々な文字に入っているので大切な動きです。
円を書いたら次に縦線や横線を書いてみます。
縦線や横線を書きながらはらいやはねなども組み合わせてみるのもおすすめです。
簡単な内容を書くだけで上達できるのは嬉しいですね。
文字のバランスを意識する
筆ペンは力の入れ方によって太さが大きく変わります。
そのため太くするところ、細くするところそれぞれにしっかりメリハリをつけることで文字の美しさは格段にアップします。
そこに合わせて押さえておきたいポイントが、文字の大きさを均等にすることです。
筆ペンは慣れないと扱いにくく、日常で書き慣れているはずの自分の名前でも大きさがまばらになってしまう…なんてこともあるあるです。
文字の大きさの目安が分かるよう薄く鉛筆で○を書いてからその中に書く、また中心がずれていかないように真ん中に線を書いておくとバランスが整いますよ♪
香典袋の表書きは薄墨でないとだめ?薄墨筆ペンがない場合は?
そもそも薄墨とは何のこと?
と疑問が出る方も多いですよね。
一般的に墨の濃さというのは2種類あります。
習字をするときに使う墨の色のイメージが濃墨といわれるもので、その反対に水で薄めた淡い色の墨を薄墨といいます。
香典袋の表書きを薄墨で書かなくてはならない理由は、
「墨が涙で薄まったから」
「訃報をうけてすぐに駆け付けたために十分な墨の量が準備できなかったから」
など諸説ありますが、香典袋の表書きを薄墨で書くことがマナーになっているのは事実です。
ただし地域によっては薄墨で書かないところもあるので、確認をしておくとなお安心ですね。
このように香典袋の表書きは薄墨で書くべきとお話してきましたが、急な訃報に薄墨の筆ペンを用意できない場合がありますよね。
濃墨の筆ペンはコンビニなどでも簡単に手に入りますが、薄墨の筆ペンは文房具店や少し大きな店舗でないと販売していないことも多々あります。
そんなときのためにお伝えしておきたいのが、「香典袋の表書きは必ずしも薄墨を使わなくてもよい」ということです。
薄墨筆ペンが手に入らない状況の場合は一般的な筆ペンを使用して問題ありません。
また名前を書く場所以外の部分が元々印刷されているタイプのご祝儀袋の場合、印刷されている文字の色によってはむしろ薄墨を使うほうが浮いてしまうこともありますよね。
その場合にも薄墨の筆ペンではなく一般的な筆ペンを使用してOKです。
ただし薄墨筆ペンがないからといって、表書きをボールペンやサインペンで書くのはマナー違反になるので気をつけてくださいね。
そして合わせて覚えておきたいポイントが、「そもそも薄墨を使うのは通夜と告別式のみ」ということです。
急な訃報に急いで駆け付けたからという諸説があることからも分かるように、あくまでも急な予定だったから薄墨であるからです。
葬儀式ではなく法要の場合には事前に日程が決まっているものなので、薄墨ではなく一般的な筆ペンで書きましょう。
香典袋に上手く書けないときスタンプや印刷は失礼じゃない?
香典袋は筆ペンで書きましょう!と話してきましたが、練習してもどうしても上手く書けないこともありますよね。
他にも利き手をケガしてしまっているなど、どうにもならない理由もたくさんあるかと思います。
そんなときに便利なのがスタンプや印刷です。
香典袋は基本的に相手のことを想って書くことが大切とお話してきたので、便利とはいえどスタンプや印刷でも失礼じゃないのかと心配になってしまいますよね。
結論からお話すると見やすさを重視するということで、スタンプや印刷を使用しても問題ありません。
ただしできる限りは手書きで書けるといいですね。
香典袋の表書き以外はサインペンで書いても大丈夫?
香典袋の表書きはきちんと筆ペンを使用して書くことがマナーであるとお話してきました。
香典袋は表書きを書く外袋、そして外袋の中にお金を包むための中袋があります。
表書き以外は住所など細かい文字でなければ書ききれない箇所があります。
そのため筆ペンですべてを書くには少し心配…という方も多いのではないでしょうか?
でも安心してください。
表書き以外の部分に関してはサインペンで書いても大丈夫!
サインペンだけでなく、ボールペンや万年筆でも問題ありません。
表書きをはじめ外袋は受付など人目につくからこそ、しっかりしたマナーが重要視されますが、中袋は住所など細かい情報をしっかり遺族の方に伝えるためにも、書き慣れたペンや細かい文字を書けるペンを使用して丁寧に書きましょう。
まとめ
突然の訃報だけでも慌ててしまう状況で、慣れない筆ペンで香典袋を書くのは心配な点が多いですよね。
葬儀式などの冠婚葬祭ではマナーが重要視されますが、慌てずにしっかり下準備を整えてから書けば大丈夫です。
地域によっては少しマナーが異なる場合や、より細かい場合があるかもしれませんのでその点は注意が必要です。
故人と遺族を想いながら丁寧に書きあげれば気持ちはしっかり伝わりますよ。
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