ひな祭りは「桃の節句」といわれる日本で昔からある行事ごとのひとつです。
「桃の節句」と呼ばれるようになったのは、旧暦の3月3日の頃に桃の花が咲くことや、桃は魔除けの効果を持つとされてきたからだとか。
それはさておき、ひな祭りといえば何を思い浮かべますか?
ひな祭りと言えば雛人形、ちらし寿し、ひなあられ…などを思い浮かべる人も多いですよね。
白とピンクと緑のコントラストが可愛い三色団子はどうでしょうか?
なぜ、ひな祭りに三色団子を食べるのか?三色団子に込められた意味や色の順番などにはどんな意味があるのか?などを調べてみましたよ。
ひな祭りに食べる三色団子に込められた意味とは?
三色団子とは、一般的には「花見団子」と呼ばれるお団子のことで、1本の串にピンク色・白色・緑色の三色の団子が刺さったものです。
また、桜の木に合わせて、ピンク色・茶色・緑色の三色などを使っていて、みたらし団子や小豆団子のような串団子と異なり、団子以外にはタレや餡子などを使わないのが特徴です。
三色団子の歴史は桜のお花見の歴史と重なります。
「花見団子」は、有名な戦国武将の1人である豊臣秀吉がきっかけとなって誕生したお菓子だと言われています。
1598年に豊臣秀吉は700本の桜を京都の醍醐寺三宝院の山麓に移植させたことを祝し、1300人もの人を招いて桜の木の下で酒宴を行いました。
それまでの花見は飲食をともなうような宴ではなく、歌を詠んだり、舞や音楽を楽しんだりといった貴族の遊びでした。
桜を愛でながら大勢で飲食するスタイルがここから庶民にも広がったそうですよ。
現代のお花見のルーツとなったこの酒宴で豊臣秀吉がお茶菓子として招待客に振る舞ったのが、カラフルな花見団子、「三色団子」です。
当時は豊臣秀吉のような上流階級の人だけがお花見や花見団子を楽しんでいましたが、その後江戸時代中頃になるとお花見の習慣が庶民にも浸透したと言われています。
その頃から現在に至るまで、お花見のお供として花見団子が食べられています。
このように「三色団子」はお花見で食べるイメージが強いですが、ひな祭りとはどう関係しているのでしょうか?
もともと昔の中国で、3月3日の桃の節句に、母親と子供の健康を願って、お餅が食べられていたそうです。それが日本に伝わり、ひな祭りにお餅を食べるようになったようです。
お餅といえば菱餅もありますが、菱餅よりも三色団子の方が食べやすいので、好まれてひな祭りの定番になったようですね。
菱餅は、女の子の健やかな成長や厄除け、子孫繁栄、長寿を願って飾られ食べられます。
三色団子も菱餅と同じ想いが込められ、ひな祭りに食べられるのです。
ひな祭りに食べる三色団子の順番に意味はある?
「三色団子」はピンク・白・緑の3色団子が一般的ですが、なぜこの3色で花見団子が作られているのでしょうか。
実は、この3色にはある意味が込められているとも言われています。
3つあるので、順番に紹介していきましょう♪
季節を表現している
三色団子の3色は、花を連想されるピンクが春、新緑を連想させる緑が夏、雪を連想させる白が冬を表していると言われています。
4つの季節があるのに三色団子となっているのは、秋が含まれていないからです。
日本の和食文化にはダジャレが多く、「何度食べても飽きない」と「秋ない」をかけて、秋を連想させる色を含まない3色になったようです。
春の風物詩を表現している
春の風物詩のひとつであるひな祭りをピンク・白・緑の3色で表現しているという説もあります。
ピンクは桃の花、緑はヨモギ、白は白酒を意味しており、ひな祭りにお供えする菱餅の一般的な配色と同じです。
縁起物を表現している
日本人は縁起の良い食べ物でげんかつぎをする傾向にあります。
これは昔から続く風習で、食べ物で縁起をかつぎ幸せを願ってきました。
花見団子の3色も縁起物を意味しており、ピンクと白を組み合わせた紅白は魔除けや邪気払い、緑のよもぎにも邪気払いという意味が込められています。
また、三色団子はピンク・白・緑の3色が定番の組み合わせですが、順番も上からピンク・白・緑の順で串に刺さっていることが多いです。
また、三色団子の3色は、並ぶ順番も決まっています。
上から順にピンク・白・緑で、これ以外の順に並んだ三色団子は見かけないと思います。
この三色団子の並び順にも意味があると言われているのですよ。
三色団子の並び順については、2つの説があります。
雪解けの大地を表現している
三色団子には、雪解けの大地を表現しているとする説があります。
1番上のピンクは空に登る太陽、真ん中の白は地面に少し残る雪、1番下の緑は残雪の下に芽吹く新緑を意味し、春を感じさせる情景を3色団子で表現しています。
このように待ち望んでいた春を表現している様は、とても風情があり日本人らしい表現の仕方ですよね。
少しロマンチックな気分になりますね。
桜が咲く様子を表現している
3色の順番は、上からピンク・白・緑の順に桜の花が咲く様子を表しています。
桜の木につぼみがついた状態がピンク、満開を迎えた状態が白、散った後の葉桜が緑です。
ひな祭りに食べる三色団子の味の違いはある?
三色団子はピンク・白・緑色がありますが、それぞれ味に違いはあるのでしょうか?
よくコンビニやスーパーで売られている三色団子は全て同じ味になっており、着色料で色付けされているのがほとんどです。
なので、全部同じ味だと思っている方も多いのではないでしょうか。
しかし、和菓子屋で販売している高級な物の場合は、赤は梅、白はすあま、緑はヨモギまたは抹茶を練りこんで作られています。
想像しただけで上品な味わいですね。食べてみたいです。
もともと三色団子は、上新粉に砂糖を混ぜた“すあま”の白に、赤しそやくちなし、桜やよもぎで着色しているので、それぞれ違う味がするのです。
つまり、ピンクは桜餅風味で緑はよもぎで草団子風味ということになりますね。
三色団子をおいしく簡単に作れるレシピも紹介♪
和菓子は作るのが難しいイメージがありますが、三色団子は簡単に作れちゃいます。
包丁も使わないので、お子さんと楽しく作ることもできますよ♪♪
用意するものは大きなボール、大きなお鍋、お玉です。
材料も少ないので早速チャレンジしてみましょう!!
・上新粉 70g
・砂糖 30g
・ぬるま湯 90ml
・着色料 適量
①.ボールに上新粉、砂糖、ぬるま湯を加えて耳たぶの柔らかさになるまでこねます。
②.①を三等分にして、1つはそのまま、2つは赤の着色料、3つ目は緑の着色料を加えます。それを一口サイズに丸めます。
③.鍋にたっぷりのお湯を沸かして、②の団子を茹でます。鍋に入れてからしばらくして、団子があがってきたら、お玉ですくって冷水を入れたボールに入れて冷やします。
④.冷やしたら余分な水分をとって串に刺したら出来上がりです。
ピンク色は食紅、緑色は抹茶粉を使ってもいいですね。
まとめ
私たちの身近にある馴染み深いお菓子も、古い歴史があるものが多いのですね。
日本には季節を楽しむ伝統行事がたくさんあって、それぞれの行事の目玉はやっぱり「食べ物」ですよね。
家族や友達と一緒に、これからも行事ごとの食事を大切に楽しんでいきたいものです。
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