土用の丑の日といえば、うなぎを食べる風習が有名ですよね。
しかし、土用の丑の日と呼ばれるようになった由来については、知らない人も多いのではないでしょうか。
そこで、
✅うなぎ以外の食べ物とは何かあるのか?
✅土用の丑の日は何をするのか?おすすめの過ごし方
✅土用の丑の日の意味
などを分かりやすくご紹介します。
古くから伝わる暦を理解すれば、今まで以上に味わい深い1日になりますよ。
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土用の丑の日とは?
「土用の丑の日」になるとうなぎを食べる方も多いのではないでしょうか。
「土用」というのは夏だけでなく、立春・立夏・立秋・立冬の前の各18日間を「土用」と呼びます。
一方、「丑の日」というのは十二支の「丑」のことで、暦の上では日付に十二支が割り当てられており、12日周期で丑の日が回ってきます。
つまり、立春・立夏・立秋・立冬の前の各18日間の「土用」の期間のうち、十二支が「丑の日」に重なる日が「土用の丑の日」となります。
現在の土用の入り日は、四立の「太陽黄経(たいようこうけい)」の「18°前」と定められています。
太陽黄経とは、太陽が天球上を通る際の道筋である「黄道(こうどう)」を360°に分けた座標のことです。
四立の太陽黄経は、45°が立夏、135°が立秋、225°が立冬、315°が立春となります。
つまり、土用入りは27°・117°・207°・297°に達した日です。
太陽黄経を基準に決定されるため、土用の期間は17~19日の間で毎年変わります。
また、土用の期間は約18日で丑の日は12日に1回あることから、それぞれの土用の期間中に丑の日が2回巡ってくることも珍しくありません。
土用の丑の日が2回ある場合の呼び方は、1回目が「一の丑」、2回目が「二の丑」です。一般的には、夏の土用の一の丑にうなぎを食べることになっています。
土用の丑の日にうなぎを食べるのはなぜ?
では、なぜ「土用の丑の日」にうなぎを食べるのでしょうか?
土用は各季節の変わり目で、気温の変化も激しく、体が疲れやすくなります。
昔から夏の土用には「う」のつく食べもの、例えば瓜や梅などを食べる習慣があり、うなぎが食べられるようになったという説があります。
その他、起源のひとつと言われているのは、江戸中期の学者、平賀源内の発案に由来するというものです。
夏場、客足の落ちるうなぎ屋の張り紙に「本日、土用丑の日」と記したら、お客さんが殺到したという説があり、商業が作った旬でもあるのです。
土用の丑の日に『うなぎを食べること』が定着したきっかけは諸説あり、はっきりとした由来は判明していません。
江戸時代の狂歌師である、大田南畝こと『蜀山人(しょくさんじん)』が詠んだ狂歌が発端という説も有力です。
蜀山人は普段からうなぎを好んで食べており、あるうなぎ屋に「繁盛するための策を考えてほしい」と依頼されます。
そこで蜀山人が、「土用うなぎは食当たりせず薬になる」という狂歌を詠んで広告にしたのです。
魅力的なキャッチフレーズで民衆の心を掴んだという点は、平賀源内と共通しているといえるでしょう。
いずれにしても、うなぎには滋養があるから流行したのでしょう。
実際、うなぎを下ろしてみると、その滋養の強さがわかります!締めてしばらく経っても体は生きていてとても下ろしにくい魚なんですよ。
土用の丑の日にうなぎ以外の食べ物とは?
土用の丑の日に食べるものといえばうなぎが定番です。
しかし中には高価な食材とあって手が出しにくいと感じる人や、単純に味が苦手な人もいるでしょう。
土用の丑の日にちなんだ食材は、うなぎだけではありません。
うなぎ以外にも「う」の付く食べ物を食べて英気を養い、無病息災を祈願してきた歴史があります。身近な「う」の付く食材として挙げられるのは、すいかやきゅうりなどの「瓜」類です。
おなかも心も満たしてくれる宇治金時やういろうといった甘いスイーツを味わってもよいでしょう。
梅干しも土用の丑の日に食べたいものの一つです。
梅雨が明けて天気がよくなってきた時期に、梅を天日干しすることを『土用干し』といいます。
「木火土金水」のすべての気を入れるために土用の時期に干す説もあり、梅干しは土用と縁が深い食材です。
また、疲れているときにもスルッと食べられるうどんも、土用の丑の日にぴったりです。
うどんはモチモチした弾力とは裏腹に、麺類の中でも消化が早いとされています。
スムーズに消化できる秘密は『油』の有無です。中華麺やそうめんは油が使われているのに対し、うどんは油を一切含んでいません。
そして土用の丑の日らしい1日を過ごしたいなら、「土用」の名が付く食べ物をチェックしてみましょう。
夏の土用につく餅である土用餅は、デザートにもってこいです。夏の悪病災難を退けるために、江戸時代から親しまれてきたとされています。
夏が旬の土用しじみも有名です。『土用しじみは腹薬』という言葉もあるように、昔の人もしじみから栄養を補給していたのでしょう。
土用に産み落とされた卵である土用卵も、うなぎと同様に精がつく食材として食べられてきた歴史がありますよ。
土用の丑の日の意味を分かりやすく解説!
では、「土用の丑の日」とは、いったいどんな意味があって名付けられたのでしょうか。
土用の丑の日とは、土用の期間内に訪れる丑の日という意味になります。
「土用」と「丑の日」のそれぞれの意味についてみていきましょう。
「土用」とは「土曜」と考える方もいるかもしれませんが、土曜日という意味ではありません。
土用とは、日本の古来の「二十四節気」という季節を分けた暦の区分により、立夏・立秋・立冬・立春直前の約18日間の「期間」を表す言葉です。
つまり、土用の丑の日というのは、二十四節気の中で数えた18日間の内の「丑の日」を指します。
そのため、年に一度ということはなく、年によって土用の丑の日の回数や日づけに違いがあるのです。
丑の日の「丑」というのは、十二支である「子丑寅卯辰巳午未申酉戌亥」の中の「丑」をいいます。
一般的には、それぞれの干支は年が変わることごとに使われるものですが、日づけ、方角、時間などを数えるときにも用いられています。
例えば、午前0時のことを「子(ね)の刻」と呼び、東西南北を方位に分けた際に東を「卯」と呼ぶなど、日本古来から使われているようですよ。
干支は日にちについて12周期で数えるため「土用の丑の日」は、「二十四節気で数えられた18日間の『土用』という期間において、干支の周期として数えた12日目を『丑の日』」というのです。
土用の丑の日は何をする?おすすめの過ごし方
土用は季節の変り目になるので、衣替えをしたり、寝具などを季節物に入れ替えたり、部屋を掃除するとよいと言われています。
夏の土用干しと言って、衣服や本の虫干しを行うのも、昔からの風習となります。
また、季節の変り目は体調を崩しやすいため、敢えてこの時期は何もせずゆっくりと過ごすのもお勧めです。
夏の土用の丑の日には、丑湯と言ってドクダミやセンブリなどの薬草が入ったお湯に使う習慣もあったそうです。
江戸時代からは桃の葉もここに加えられるようになったそうなので、これらが配合されている入浴剤を入れて、お風呂にじっくりと入るのもよいかも知れませんね。
まとめ
今年の「土用の丑の日」、2022年は7月23日・8月4日です。
毎年何となくうなぎを食べているという方は、この機会に土用の丑の日の意味や風習感じて、楽しんでみるのもいいかもしれませんね。
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