年越しそばは地域によって食べる時間って違うの?
いつ何時に食べるのが正解なの?
って思ったことはありませんか?
そこで食べる時間帯にきまりがあるのか?年越しそばを食べるタイミングや、そもそも年越しそばをなぜ食べるのか?その由来や具材に込められた意味についてもご紹介します!
年越しそばは地域によって食べる時間時間帯が違う!?いつ何時に食べるのが正解?
子供のころから食べている年越しそば。
それぞれの家庭での習慣があるので、大人になって食べるタイミングがよその家と違うと驚くことがあるでしょう。
夕食時に食べるのか、夜食として食べるのか・・・。または、朝?お昼ごはんの時?
ではいつが「正しい年越しそばを食べる時間」なのでしょうか。
年越しそばは食べる時間にきまりはありません!
一般的には夕食や夜更かしをするときの夜食として食べることが多いようです。
ただ、一年の厄災を断ち切って新しい年を迎えるという意味があるので、年をまたがないほうが良いとされています。
年を越してから食べ終わるのは縁起が悪いとされていますので、12時までにはしっかり食べ終わるようにしましょう。
年越しそばを食べるタイミングとして、大みそかに食べることが一般的ですが、地方によっては年を越してから食べる風習があります。
福島県の会津地方では「元旦そば、二日もち、三日とろろ」という言葉があって、元旦の朝に年越しそばを食べるそうです。
新潟県では「十四日そば」とよばれ、元旦と1月14日に食べているそうです。
各地域でも食べるタイミングは様々ですね。
年越しそばはなぜ食べるの?由来を紹介!
年越しそばが大みそかに食べられるようになったのは、江戸時代中期頃からといわれています。
もともと江戸時代には、行事や節目にそばを食べる習慣があったそうです。
その習慣の一つが「晦日そば」です。
江戸の商人が奉公人に毎月月末にそばをふるまっていたそうですよ。
大みそかにそばを食べるようになったのも、晦日そばの習慣がかかわっているといわれています。
そのほかにも年越しそばの由来には次のようにさまざまな説があります。
長寿を願って
そばの細く長い形状から「長く細く」長生きできますようにという願いがこめられ食べられ始めたと考えられています。
このことから年越しそばは「寿命そば」とも呼ばれているそうです。
運気を上げるため
鎌倉時代、九州博多の承天寺というお寺で、お金に苦労し年を越すこともままならない人たちに「世直しそば」と称してそば餅を振舞いました。
翌年、食べた人たちは運が上がったと噂され、それから年末にはそば餅を食べるようになり、その後年越しそばになったそうです。
このことから「運そば」「福そば」とも呼ばれています。
厄災を切り捨てるため
そばの麺は小麦からつくられる麺(うどんやそうめんなど)に比べて、切れやすい特徴から「1年間にあった災難や厄をきれいに断ち切る」と考えられてきました。
これが「縁切りそば」とよばれる由来です。
金運アップを願って
昔、金銀細工師や金箔食職人は、散らばった金粉を集めるために、練ったそば粉を使っていたそうです。
そのことから、「そばは金を集める」「金運を呼ぶ」とされ大みそかに食べられるようになったといわれています。
無病息災を願って
そばは日本では昔から栽培されている穀物で、収穫までの期間が短く、寒冷地や痩せた土地でも栽培が可能なほど丈夫な作物です。
雨や風に打たれても、日光に当たればすぐに元気になってしまうほどの丈夫さです。
この様子から健康を願って食べられるようになりました。
そばには良質なたんぱく質やビタミン類、食物繊維が豊富に含まれています。
とくにルチンとよばれる成分(ビタミン様物質の一種)はビタミンCを補強して毛細血管を丈夫にする働きがあり、動脈硬化や高血圧症の予防や緩和に効果があります。
徳川綱吉が生きた元禄時代の書物の「本朝食鑑」にもすでに「そばは健康に良い」ということが書かれています。
このように、年越しそばの由来はいずれも縁起や験担ぎに関係したものばかりです。
あと、年越しそばは食べ残すと「金運を逃す」といわれています。
食べきれる量だけにして、少なめに食べると良いですよ。
年越しそばに込められた具材の意味とは
年越しそばの具に使われる食材も、縁起のよいものが選ばれることが多いようです。
おすすめの具材と意味について紹介します。
長寿をねがう「海老」
えびは長いひげをはやし、腰が曲がっていることから長寿のイメージを連想させる縁起の良い食べ物とされてきました。
お正月のおせちやお祝いの席でも欠かせないですよね。
また、えびは脱皮を繰り返すことから「新しく生まれ変わる」「成長する」という意味もあります。
かき揚げや海老の天ぷらにしておそばと一緒に食べてくださいね。
子孫繁栄の「ニシン」
北海道や京都でよく食べられるにしんそば。
ニシンとは数の子の親です。
「二親(にしん)」とも読めることから、多くの子供が生まれるようにと願いを込めて
食べられてきました。
温かいかけそばにニシンの甘辛い甘露煮をのせて食べると、お互いの味を引き出しとてもおいしいです。
金運アップの「卵」
卵の黄身が黄色なことからお金を連想し、金運が上がる縁起のよい食べものとして食べられてきたようです。
卵焼きや月見そばにしてもおいしいですよね。
商売繁盛の「油揚げ」
油揚げはキツネ揚げや稲荷揚げとよばれ、お稲荷様の好物とされることから縁起の良い食べ物とされてきました。
お稲荷様は商売繁盛・五穀豊穣・家内安全などの様々なご利益があります。
「金運」や「仕事運」の上昇をねがって食べられているそうです。
旬を盛る「春菊」
春菊は11月から2月が旬です。
年末年始の時期に出回るのでおそばのトッピングにちょうどいいですよね。
春菊は「春」と「旬」が同じ響きであり、一番おいしい盛りの時の食べ物なので「盛りがつく」という意味もあります。
日本では旬の食べ物を食べると75日寿命が延びるとされていて、旬のものや初物を積極的に食べる習慣があります。
春菊はとても栄養価が高く、妊娠期に必要な葉酸も豊富に含まれています。
独特の香りがありますが、この香り成分はぺリルアルデヒドと言って免疫力を高めたり、胃腸の調子を整え、咳を鎮めるなどの効果があります。
身体にいいからといってもクセが強いので、子供には苦手とされるかもしれません。
そんな時は同じ旬のほうれん草を代用してもいいかもしれませんね。
1年をねぎらう「ねぎ」
ねぎには「労をねぎらう」という意味があります。
今年1年あった様々なことを振り返って自分をねぎらう意味をこめて年越しそばにトッピングされてみてください。
また、神職の禰宜(ねぎ)と同じ発音であることから、厄払いにもよいとされています。
ネギの白い部分には発汗促進、解熱、鎮痛作用があり、香りにはストレスや冷え性解消効果のある成分が含まれていますので、風邪をひきやすいこの時期にはぴったりの食材ですね。
まとめ
日本は古くから毎月末日を晦日といいます。1年の最後の日を大みそかといい、年神様をお迎えするためごちそうを準備して一晩中起きている風習がありました。
今ではごちそうは翌日の元旦に食べられるようになり、徐々に風習も変わってきています。
それでも今年1年のさまざまな苦労をねぎらい厄災を絶ち、翌年の幸せを食ベ物に願いをのせてみんなで食べるという行為は変わっていないですよね。
現在は食べ物の栄養素や糖質制限・カロリーなどばかり話題になりがちですが、昔から伝わっている伝統にも目を向けてみてください。
年越しそばや具材の食べ物に込められている意味を考えたり、家族みんなで話しながらゆっくりと食べてみてくださいね。
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