お店やインスタを見ると色鮮やかな食品やお料理が並んでいて、とても食欲を刺激されますね。
「おいしそう!かわいい!」と興味を持ち、買ってみたいという意欲が高まります。
ではこの彩りの美しさはなんでしょう。
食品の色の見栄えをよくするには着色料を加えているものが多くあります。
商品のパッケージに書いてある原材料名をみてください。「〇〇色素」とかかれていませんか?
それがその商品の色味を出している着色料です。
そんな着色料は安全なものなのか?体に悪い影響はないのか?など着色料による体に与える影響などについてもご紹介します。
合成着色料は全て体に悪いの?体に悪いといわれる理由とは?
着色料とは食品に色を付けるために使われる食品添加物です。
大きく分けて「合成着色料」と「天然着色料」があります。
そのうち合成着色料とは食用タール色素のことで、コールタールから抽出される化合物を原料に合成されたのでタール色素と名前が付けられました。
今はコールタールではなく石油から得られる「ナフサ」を原料とした化学物質からつくられています。
現在、日本で使用許可されているタール色素は12種類あります。
赤色2号(アマランス)
赤色3号(エリスロシン)
赤色40号(アルラレッドAC)
赤色102号(ニューコクシン)
赤色104号(フロキシン)
赤色105号(ローズベンガル)
赤色106号(アシッドレッド)
青色1号(ブリリアントブルーFCF)
青色2号(インジゴカルミン)
黄色4号(タートラジン)
黄色5号(サンセットイエローFCF)
緑色3号(ファストグリーンFCF)
赤色2号(アマランス)
食品例:いちごシロップ、ゼリー、アイス、飲料
発がん性や不妊の危険性、じんましんなどの皮膚症状がありアメリカでの使用禁止!
赤色3号(エリスロシン)
食品例:焼き菓子、かまぼこ、ケチャップ、福神漬け
熱に強い性質があるため加熱してつくられる加工食品に使用が多いです。
染色体異常(奇形児)、発がん性、成長抑制などの毒性あり、ポーランド・アメリカ・ドイツで使用禁止!
赤色40号(アルラレッドAC)
食品例:キャンディ、飲料、ゼリー
アレルギー症状を誘発、腎臓への有害性あり、ヨーロッパでは子供の摂取を推進していません。
赤色102号(ニューコクシン)
食品例:紅ショウガ、ソーセージ、焼き菓子、梅(梅干し等)、ジャム、たらこ
肝機能低下やアレルギーを引き起こすなど異常がみられることがあります。
アメリカ、カナダ、ベルギーで使用禁止!
赤色104号(フロキシン)
食品例:焼き菓子、生菓子、かまぼこ、ソーセージ、あんこ
発がん性や染色体異常などが見られるため、日本以外のほとんどの国で禁止!
赤色105号(ローズベンガル)
104号と性質と用途が同じで日本以外のほとんどの国で禁止されています。
赤色106号(アシッドレッド)
食品例:福神漬け、ハム、ソーセージ、サクラエビ
肝機能への影響、発がん性、遺伝子障害、染色体異常があるため、食用として使用許可されているのは世界で日本のみ。
青色1号(ブリリアントブルーFCF)
食品例:ブルーハワイシロップ
ラットを使った実験では発がん性が指摘されているため、ヨーロッパ諸国では使用禁止!
青色2号(インジゴカルミン)
食品例:チョコレート、氷菓子、和菓子
青色1号と同様に人間において発がん性は確認されていません。(ラットには報告あり)
黄色4号(タートラジン)
食品例:レモンシロップ、数の子、たくわん、漬物、練ウニ、お菓子、アイス、ゼリー
最も使用量が多く、ヨーロッパでは子供の注意欠陥・多動性障害との慣例が指摘されています。
ぜんそくやじんましんといったアレルギー症状を誘発する恐れがあります。
黄色5号(サンセットイエローFCF)
食品例:清涼飲料水、菓子類、漬物
緑色3号(ファストグリーンFCF)
食品例:お菓子、飲料、キャンディ、メロン味飲み物等
発がん性・染色体異常が疑われ、アメリカ・ヨーロッパ諸国で使用禁止!
日本で使用禁止されていないものの、あまり国内でも使用されていません。
これらのように日本では認可されているけれど、発がん性や遺伝子への影響など疑われ日本以外の国では使用禁止されている食用タール色素も数多くあります。
着色料で着色されているもの食べ物を食べすぎるとどうなる?
食用タール色素は構成成分が自然界に存在しない化学物質ですので、人間の体の中で分解がされにくい傾向があります
体の中に長く残ってしまうと、遺伝子に影響が出て染色体異常(奇形児)や不妊の原因になったり、がんやアレルギーを誘発してしまう危険性があります。
市販の着色料で安全なものは?
「日本料理は目で食べる」といわれるように、見た目や彩りを大切にする日本人。
お祝い事には紅白のまんじゅう、梅干しにはしその葉で染めるなど食品への着色は昔から行われてきたことでした。
昔ながらの着色の仕方は植物(野菜や花・草木)がほとんどで、これらの植物や昆虫から抽出された色素のことを天然着色料といいます。
おおまかにボルフィリン系(緑色・青色の色素)、カロテノイド系(黄色・赤色)、フラボノイド系(赤色・黄色・褐色・紫色)、キノイド系(赤色)に分類されます。
合成着色料と違って、天然の素材からつくられているので安全といわれています。
日本人は自然の色味を好むことから徐々に合成着色料の使用頻度は減っており、代わりにこの天然着色料を使われることが多くなってきました。
天然着色料は安全なの?合成着色料との違いは?
ではこの天然着色料と合成着色料との違いは何かというと、もともと自然界に存在しているか、またはいないかの違いです。
例えば天然着色料のウコン色素はウコンの根茎から得られたものですし、オレンジ色素はオレンジの果実や皮から抽出したものです。
チョコレートが市に多く含まれているカカオ色素は、カカオ豆を発酵したあと焙焼した色素です。
原材料名の表示例には「カカオ」や「フラボノイド(色素)」と書かれています。
また、よくアイスやジュースなどの赤色に使われるベニコウジ色素は紅こうじカビの培養液から抽出した色素です。
自然界に存在している動植物から抽出した物質なので、体内に入っても分解して排出されやすいとこから、合成着色料と違って安全だといわれています。
ただし、この色素を安定してたくさん抽出するために多くの化学薬品や溶液を使用して科学的に処理されています。
例えばイチゴ飲料やかまぼこなどによく使用されているコチニール色素は、昆虫のカメムシの仲間である「エンジムシ(コチニールカイガラムシ)」を乾燥させて水やアルコールで抽出して得られます。
発がん性や遺伝子への影響といったものは指摘されていませんが、人によって深刻なアレルギー症状を引き起こします。
したがって、天然成分だからと言って完全に安全であるとはいえません。
まとめ
日本では昭和40年代に発がん性や肝障害が発見されて使用禁止になった食用タール色素が、数多くありました。
今現在使われているものは試験を繰り返し安全性が認められ、さらにADI(1日許容摂取量)が設定され安全性に問題はないと考えられています。
しかし日本で使用されている合成着色料の中にはアメリカやヨーロッパ諸国で使用禁止や規制されているものも多くあります。
今、問題ないとされている食用タール色素も、将来的には禁止になるかもしれません。
着色料は主に見た目をよくするためのものなので、製品の味や保存性または栄養成分に全く関係ありません。
つまり、身体に必要として摂取するものではないのです。
スーパーやコンビニで商品を買うときに、原材料名を確認して「〇〇色素が入ってないほうにしようかな」と自分で選んで食べる量をコントロールするのも身体の健康には大事なことです。
特にこれから将来をになう世代にとっては、「食べるもの(自分の身体をつくるもの)を選ぶ」という判断力はとてもたいせつなことなので、こどもがちいさな頃から一緒に食べるものを選び学びながら食教育をしていくことが大事だと思います。
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