日本の伝統的な発酵食品の代表、ぬか漬け。
昔はぬか床の入った甕が家の台所に当たり前のようにあり、お漬物が盛られたお皿が毎日のように食卓に並んでいましたが、今ではお店でいろいろなお漬物が手に入るようになり、家で毎日ぬか床を混ぜることがなくなってしまいました。
しかし、最近その良さや美味しさが見直されてきています。
そこで今回は、そんなぬか漬けについて、
✅ぬか漬けに入れてはいけないもの
✅ぬか漬けにおすすの野菜
✅逆にぬか漬けに向かない野菜
✅ぬか床に入れると美味しくなるもの
✅ぬか漬けに入れっぱなしの野菜はいつまで食べられるのか?
をみていきましょう!
ぬか漬けに入れてはいけないものとは?
ぬか漬けといえば、なすやきゅうりなど野菜のぬか漬けを思い浮かべますね。
では、ぬか漬けに入れてはいけないものがあることはご存知ですか。
基本的に極端に水分の多いものや香りの強いものは、ぬか漬けに入れてはいけないものといわれています。
なぜなら香りの強いものを漬けると、ぬかの味や匂いが変化してしまい、上手に漬からないということが起きてしまうからです。
同様の理由で辛味やアクのあるものも入れてはいけないものといわれています。
また、注意が必要な食材としては、
・ねばねばしているもの
・アクの強いもの
・緑の野菜
などがあげられます。
どれもぬか漬けにしたらおいしそうですが、何か方法はないのでしょうか。
対処法として、入れてはいけないといわれている食材も、ひと手間加えることでぬか漬けにすることができます。
例えば水分の多い食材であれば塩もみをして水分を取り除けば問題ありません。
また、ジップロックなどにぬか床を取り分けて個別に漬けることで対応可能です。他のものと分けることで匂い移りなどを避けることができるのです。
ただし、個別に漬けたぬか床は絶対にもとには戻さず、廃棄するようにしてください。
特に肉や魚を漬けたものは注意が必要です!菌が原因で食中毒を起こしてしまうかもしれません。
香りの強いものやアクの強いものほど、ぬか漬けにしてみるとくせになる仕上がりになりそうですよね。
ぬか漬けに向いているおすすめの野菜
ぬか漬けに向いている野菜はたくさんありますが、まず新鮮で虫に食われていないものを選びましょう。
また漬物なので、きゅうりなどの歯ごたえがシャキシャキとしっかりとしている根菜や、キャベツなどの葉茎菜は漬けた後も歯ごたえのよい食感を楽しめます。
浸かりやすいなすびなどの野菜も向いていますよ。
それでは、野菜別にみていきましょう。
きゅうり
ぬか漬けの定番野菜で、水分を多く含んで適度な硬さと歯ごたえが楽しめるので、多くの人に好んで食べられています。
そのまま漬けても美味しいですが、ピーラーで皮を部分的にそいで漬けるとより美味しくなります。
漬け方はへたとしっぽを切り落として塩もみをし、夏なら5~6時間くらい、半分に切って漬けると2~3時間でぬか漬けを楽しめます。冬は1日ほど漬けておきましょう。
白菜
クセがなくみずみずしくてシャキシャキとした食感が楽しめます。
食べやすい大きさに切って、夏なら6時間ほど、冬は1日くらいを目安に漬けます。
白菜は水分を多く含んでいるので、そのままぬか漬けにするとぬか床が水っぽくなってしまいます。
塩と昆布、赤唐辛子で浅漬けにしてからぬか漬けにすると、ぬか床が水っぽくなるのを軽減できるのでおすすめです。
大根
パリっとした歯ごたえを楽しむことができ、大根の辛味に酸味と塩気が加わって刺激的でより美味しく味わうことができます。
1日程天日干ししてから漬けると水分が抜けるので、塩を振らずに漬けられます。
皮をむかずにそのまま漬けてもいいですが、むいて漬けると白く綺麗なぬか漬けになります。
むいた皮も塩を振って漬け込んで食べることができます。
夏は半日から、冬は1日半ほどを目安に漬けましょう。
なす
ぬか漬けにすると味が染みやすく、歯ごたえを残しつつやわらかい食感を楽しむことができます。
塩もみして紫色の汁を出し、夏は7時間ほど、冬は1日ほど漬けます。
大きめだと皮が硬くなりやすいので、小さいなすがぬか漬けに向いています。
冷蔵庫で冷やしたなすではなく常温のものを使用するのが良く、漬けているうちに茶色くなりやすいので、紫色にしたい場合は少し短めに取り出しましょう。
かぶ
春と秋に旬を迎える定番野菜で、実と葉の両方を漬けることができます。
実はコリコリとした食感で、シャキシャキとした葉と甘みや酸味、塩気が丁度良く混ざり合って美味しいぬか漬けになります。
塩もみをして、夏は半日から、冬は1日以上を目安に漬けます。皮をむくと漬ける時間が短くなります。
ごぼう
冬の定番野菜ですが、春先に出回る新ごぼうもぬか漬けにすると、程よい固さで歯ごたえがあって食べやすくなります。
一口サイズに切ってやわらかくなりすぎないように茹でて冷ましてから、夏は半日から、冬は1~2日を目安に漬けます。
細いごぼうなら塩もみしただけで漬けられます。
きれいな白にしたい場合は、酢を少しだけお湯に入れて茹でましょう。
キャベツ
春と冬の定番野菜ですが、ぬか漬けにするなら葉がしっかりした冬のキャベツが合い、シャキシャキとした食感を楽しめます。
小さめなら半分か1/4に切って漬けるか、一枚ずつはがしてぬかを包み込むように漬けます。
夏は7時間ほど、冬は半日から1日程度が目安です。
人参
人参の甘みとコリコリとした食感が美味しいぬか漬けになります。
スティック状にカットしたら塩もみをして、夏は半日ほど、冬は1~2日で食べることができます。
皮には栄養が含まれているので、お好みで皮をむかずに漬けても美味しいです。
セロリ
スティック状に切り1日ほど漬けると、甘みが出てセロリ特有の香りが少し和らいで食べやすくなります。
生のセロリが苦手な方も食べやすくなるのでおすすめです。
ぬか漬けに向かない野菜
ほとんどの野菜は漬けられますが、
✅苦みの強い野菜(ゴーヤ、チコリ、ねぎなど)
✅あく抜きのしづらい野菜(ニラなど)
✅水分が多い野菜(大粒トマトや新玉ねぎなど)
上記の野菜は、あまりおすすめではありません。
なぜなら、水分が多いものはぬか床が水浸しになりますし、苦味があるものはぬか漬けにすることで苦味が増したりするからです。
しかし、ぬか漬けに向かない野菜でも、ちゃんとあく抜きをして、茹でて苦味をぬいてから漬ければ美味しく食べられるかもしれませんね。
ぬか床に入れると美味しくなるもの
ぬか床に入れると美味しくなるものはあるのでしょうか。
まずは野菜から見ていきましょう。
ぬか床に入れると美味しくなる野菜
・きなこ:ぬか床の味をまろやかにします。
・かぶの葉:ぬか床に、畳のイ草のような香りがつき、ぬか床の香りが深まります。
・なす:ぬか床がフルーティーな香りになります。
・干ししいたけ:ぬか床に風味を足します。
ぬか床に入れると美味しくなる飲み物
次は、飲み物です。
ちょっと驚かれるかもしれませんが、ビールを入れることによって、ビール特有の香味や苦みを取り入れることができて、ビール酵母が微生物が元気になり美味しいぬか床をつくることが出来ます。
ただし、ビールを加え過ぎてしまうと乳酸菌へのダメージになり、乳酸菌の死滅したぬか床は短期間のうちに腐りますので注意が必要です!
大さじ1杯程度の少量で十分ですよ。
ぬか床に入れると美味しくなる食べ物
煮干し・・鰹節・焼いた塩鮭の頭と骨など
上記は、ぬか床の味に旨味を加えるとまろやかな味わいにしますよ。
ぬか漬けに入れっぱなしの野菜いつまで食べられる?
長持ちするといわれているぬか床ですが、ぬか漬けされた野菜は一体どれくらい長持ちするのでしょうか?
野菜が漬かるおおよその日数は、キュウリや葉物なら1〜2日、にんじんなどの根菜類は2〜4日です。
ぬか床に野菜をつけたままにしておいたら、その分だけ保存は効きますが、置きすぎると漬けていた野菜が塩分過多になり、塩分で野菜から水分が抜けてしまうので味も変化します。
美味しい状態で食べたいなら、浸けた日から2〜3日後に食べ切るようにしましょう。
まとめ
興味があっても、いざやるとなると少し躊躇してしまうぬか漬け。
やはり手間はかかりますが、その分いろんな食材を試したり、ぬか床の状態を変えたり、その奥深さにはまってしまいそうですね。
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