スプレー缶を皆さんはどのように捨てていますか?
スプレー缶は穴を開けて捨てるものだと小さい頃から親に教えられていて、記憶にすりこまれている人も多いでしょう。
最近では穴を開けずにゴミ出しするように推奨されている自治体が大半です。
ヘアスプレーや、消臭剤、カセットコンロ用のガスボンベなど、生活していると必ず出てくるスプレー缶。
実は、スプレー缶処理に係る事故は昔から定期的に発生し、死傷者も出ておりたびたび問題になっています。
そこで、正しいスプレー缶の捨て方と注意点を紹介します。
スプレー缶の捨て方は?穴を開けると危険な理由
プレー缶処理に係る事故は昔から定期的に発生し、死傷者も出ておりたびたび問題になっているとお話ししましたね。
最近でも2020年4月に静岡市でスプレー缶の穴あけ時の火災が連続発生し、負傷者が出ています。
消防局によると、台所の流し台でヘアスプレー缶に穴をあけてガスを抜いていたところ、近くのガスコンロの火に引火して爆発的に燃焼してしまった事案がありました。
もう一件は、室内でカセットコンロ用ボンベのガス抜きをしていた際に、ドライバー工具で穴を開けた瞬間、爆発しいずれもやけどを負っています。
このように室内でスプレー缶に穴を開ける自己処理を行った際に発生する事故が後を絶ちません。
ではスプレー缶に穴を開けるとなぜ危険なのでしょうか。その理由に迫ってみます!
内容物が噴き出す危険
中身を完全に空にしていれば危険はないのですが少しでも内容物が残留していると、穴を開けた際に穴から中身が噴き出てくる恐れがあります。
害のない物であればよいのですが、有毒なものの場合、目や気管に入ってしまったり、ガスの場合は引火する危険性もあります。
実際にスプレーの塗料缶に穴を開け作業をしている際に、内容物目に入り救急搬送された例もありますから、スプレー缶は、外からでは残量が確認できない物が多いため注意が必要です。
爆発する危険
ガスがわずかでもスプレー缶に残留していると、穴を開ける際に金属がこすれて火花が出て爆発に繋がったり、静電気でも引火する恐れがあります。
コンロなど火元がない場所で穴を開ければ大丈夫、ということでもないようです。
一昔前は環境省の指導により、ゴミ回収時の事故を防止するため穴をあけて廃棄するよう求められていましたが、消費者の穴あけによる火災や爆発などの事故が発生しており、現在では穴を開けずに廃棄するように方針が切り変わりました。
環境省は現在、穴を開けずに廃棄するように各自治体に向けて発信しているため、東京23区含め大半が穴を開けずに廃棄するように呼びかけていますが、中には穴を開けて出す方針の自治体もまだあるようです。
出し方も資源ごみや小型金属、缶ビンなどそれぞれルールが異なりますので自分の自治体のルールを確認しておきましょう。
正しいスプレー缶の捨て方を紹介!
スプレー缶処理の危険性を書いてきましたが、正しく処理すれば危険なことはありませんので怖がらずに正しく処理しましょう。
スプレー缶処理の手順をご紹介します。
① 中身を全て出し切る
捨てる前に缶を振ってみてください。
液体の音やシャカシャカ音が鳴る場合はまだ中身が残っている可能性があります。
音がなくなるまでしっかり中身を出しきりましょう。
気化しない内容物のスプレー缶の処理やマンションのベランダなどで行う際は、トイレットペーパーや新聞紙に内容物を吸い込ませるやり方もあります。
バケツにビニール袋をかぶせて、トイレットペーパー1ロールまたは新聞紙(多め)を入れます。
屋外に出てトイレットペーパーまたは新聞紙にスプレー缶を押し付けながら中身を出し切ります。
押し付けながらスプレーすることによって、飛び散りを防ぐことが出来ますし、臭いも広がりませんのでおすすめです。
② ガス抜きをする
火気がなく風通しが良い屋外でガスを抜きます。
付属のガス抜きキャップが付いている商品もありますので確認しましょう。
③ 穴を開ける(穴開けが必要な自治体の場合)
確実に中身を出し切ってから、火気のない風通しが良い屋外で穴を開けます。
釘打ちやニッパーなどで穴を開けようとすると滑って怪我してしまったり中身が飛び散る可能性がありますので、ホームセンターや百円ショップなどで専用の道具が販売されているので出来れば専用の道具を使って開けましょう。ハサミタイプや、缶切りタイプなど様々なタイプのものがあります。
④ ゴミ出し
他のごみとは分けてスプレー缶のみ、透明な袋にまとめてゴミ出しします。
自治体によって決められた日、決められた出し方が定められています。
主に「燃えないゴミ」「資源ごみ」「小型金属「不燃ごみ」「有害ごみ」「空き缶」「火災危険物」「発火性危険物」などのカテゴリーにそれぞれ振り分けられています。
細かい出し方もそれぞれルールが定められていますので、事前にきっちり確認して指示に従ってゴミ出ししましょう。
スプレー缶を捨てるときの注意点
スプレー缶を捨てるときの注意点がいくつかありますのでまとめてみました。
是非参考にしてみてください。
屋外の風通しの良い場所
スプレー缶の事故のほとんどが、屋内で起こっています。
換気扇をまわして風通りを良くしたとしても、屋内は絶対にやめましょう。
LPガスやジメチルエーテルと呼ばれるガスは空気より重く、下にたまる性質があります。
換気扇をまわしても下にたまった空気は流れていきませんのでそのまま残留してしまいます。
中身を出しきる際や、穴を開ける必要がある場合は、必ず屋外で火気がない風通しの良い場所(風上側)で行うようにしましょう。
引火や爆発の防止だけではなく、内容物の吸引や飛び散りを防ぐためにも屋外が推奨されています。
空気が乾燥していると静電気が起こりやすいため、空気の乾燥にも注意しましょう。
雨上がりの湿度が高い日がおすすめです。
服装
スプレー缶の中身を出しきる際に、静電気により引火する可能性があります。
念のため、静電気が発生しやすい服(ウール+ポリエチレン、ナイロン+ポリウレタンなど)は避けるようにしましょう。
麻やリネン、綿などの素材の服を着用すると安心です。
また、思いがけずスプレー缶の中身を吸ってしまったり飛び散って付着してしまう可能性もありますので、マスクや手袋を着用するとより安全です。
手袋は、中身を一気に出すと気化熱で缶が冷たくなり凍傷になってしまったという事例もあるため、念のため装着しておくとより安全です。
袋に詰める前に放置
中身を出し切った後はしばらくそのまま置いておきましょう。
すぐに袋に入れたり、穴を開けようとすると可燃性のガスがまだ空気内に残っている可能性がありますので、少し時間を置いてから次の工程に移るようにしましょう。
この時、ちょっと一服・・とタバコに火をつけてしまい爆発事故に繋がるケースも多いため、決してタバコやライターを使用しないように気を付けましょう。
慣れれば簡単♪正しく処理しましょう
スプレー缶はとても便利ですが、処分するのが億劫なイメージを持っている人も多いかと思います。
実際にスプレー缶による事故も毎年起こっており、注意して取り扱わないと危険ですが、きちんと処理をすれば何も危ないことはありません。
ポイントは、「屋外」で「中身を全て出しきる」という2点です。
また、昔からのルールで、穴を開けなくてはいけないと思い込んでいる人もまだたくさんいらっしゃるかもしれませんね。
一度自治体のルールを見直してみてください。
穴を開けなくてもそのままゴミ出しできるようにルールが改正されているかもしれません。
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