一年延期になった東京オリンピックですが、いよいよ間近に迫ってきましたね。
今回のオリンピックでは33の競技が実施されますが、みなさんはどの競技を楽しみにしておられるでしょうか?
それぞれにいろんな見どころを心に描いていらっしゃることと思いますが、33の競技のうち、5つの競技が追加種目として実施されるのをご存知でしょうか。
5つの追加種目とは、
✅野球
✅ソフトボール
✅空手
✅スケートボード
✅スポーツクライミング
✅サーフィン
です。
今回は、追加種目の一つである【スケートボード】について、
■日程や会場はどこで行われるのか?
■どんな技があって、見どころはどこか?
■どのようなルールで競われるのか?採点方法は?
■東京オリンピックの注目選手は?
などオリンピック競技としてのスケートボードについて解説していきます。
東京オリンピック新競技スケートボードの日程や会場は?
東京オリンピックにおいて新競技のスケートボードが行われる会場となるのは、有明アーバンスポーツパークです。
東京臨海副都心の一部をなす江東区の有明北地区に設営され、アーバンスポーツの中心となる会場の一つです。
選手村やIBC(国際放送センター)とMPC(メインプレスセンター)が設置される東京ビッグサイトからもほど近くに位置します。
スケートボードのほかに、自転車競技のBMXレーシング、BMXフリースタイルもこの会場で実施されます。
■男子のストリートが7月25日(日)
■女子のストリートが7月26日(月)
■女子のパークが8月4日(水)
■男子のパークが8月5日(木)
に実施されます。
「ストリート」と「パーク」については後ほどご説明しますね。
いずれの種目も午前9時に開始し、同日のうちに予選、決勝、表彰式が行われ、午後2時前に終了する予定です。
オリンピック新競技スケートボードのルールや技の紹介♪
オリンピック新競技スケートボードのルールとは
みなさんご存知の通り、スケートボードとは前後に車輪のついた板です。
この板のことをデッキといい、車輪はウィールと呼びます。
選手たちはこれに乗って決められたコースを滑り、さまざまな技を繰り出し、この技のことをトリックと呼びます。
そうして実施されたトリックを審査員が採点し、その点数を競うのがスケートボード競技です。
採点の基準となるのは、トリックの難易度、高さ、スピード、独創性、完成度、そして全体の流れといった要素です。
そして、スケートボードの競技は、選手たちが走るコースの設定の違いによって「ストリート」と「パーク」の2種目に分かれます。
ストーリーとは
ストリートとは、直線的なコースの中に、街なかにある階段や手すり、縁石やベンチ、壁、坂道などを模した構造物が配置されます。
こうした構造物のことを「セクション」と呼びますが、選手たちはさまざまなセクションを利用しながら多彩なトリックを披露します。
パークとは
一方のパークとは、窪地状のコースの中に複雑な凹凸が配置されます。
特に窪地の周囲にめぐらされた坂を駆け上った先で空中に高く飛び出して行われる『エア・トリック』は、パークでの大きな見せ場となります。
ストーリーのルールと採点方法
ストリートは、ラン方式とベストトリック方式という2つの方式で滑り、その合計点で競います。
ラン方式は、持ち時間45秒でコースを自由に滑り、トリックを繰り出します。
これを一人2回ずつ行い、高い方の得点が採用されます。
ベストトリック方式はどれか一つのセクションを選び、トリックを一つ繰り出します。
これを一人5回ずつ行い、点数の高い4回が加算されます。
このようにして獲得したラン方式とベストトリック方式それぞれの得点を合計したものが、その選手の持ち点になります。
パークのルールと採点方法
パークでは、45秒の持ち時間で自由にコースを滑り、トリックを繰り出します。
これを一人3回行い、そのうちの最高点で競い合います。
オリンピック新競技スケートボードの技の解説
スケートボードにはさまざまなトリックがありますが、その中で特に基礎的で重要なのが「オーリー」というトリックです。
オーリーとは、デッキを足で弾いて上に跳ね上げて、デッキと一体となってジャンプする動作です。
冬季オリンピックの採用競技であるスノーボードと異なり、スケートボードでは足とデッキがビンディングで固定されていません。
ところが選手たちは、まるでデッキが足に吸い付いているかのように巧みにオーリーをやってのけるのです。
スケートボードのトリックの大半は、オーリーから派生したものといって過言ではありません。
それくらいオーリーは基礎的な技なのです。
ですから、競技を観戦する際には、まずはこのオーリーに注目してみると良いでしょう。
より高等なトリックとして、デッキを回転させる「フリップ」がよく行われます。
スノーボードのように足とデッキを固定しないスケートボードならではのテクニックですね。
オーリーをしながら、細長いデッキを軸にして回転させるトリックを「キックフリップ」と呼びます。
ほかにデッキを横や縦に回転されるトリックもあり、またそれに合わせて選手自身も回転するものもあります。
オリンピック新競技スケートボードの見どころは?
ストーリーの見どころ
ストリートでは、ハンドレール(手すり)やレッジ(縁石)などのセクション(構造物)がコースに配置されています。
選手たちは、これらセクションを使って、デッキをレールやレッジに当てて滑る「スライド」や、デッキとウィールをつなぐ金属部分を当てて滑る「グラインド」をよく披露します。
このようにセクションを利用する巧みさや独創性が、ストリートの大きな見どころになります。
パークの見どころ
一方のパークは、やはり何といっても豪快なエアが見ものです。
空中でデッキを手でつかむグラブや、デッキを回転させたり、選手自身が回転したりといった多彩なトリックが繰り広げられますので、その力強さや美しさを楽しむのがパークを観戦する醍醐味といえるでしょう。
ストリートにもパークにも共通して、観戦する上で覚えておくと役に立つのが、スタンスについての用語です。
選手たちがデッキに乗って滑走する際に、左足が前になる姿勢を「レギュラースタンス」といい、右足を前にした姿勢を「グーフィースタンス」といいます。
ちょうど人には誰しも右利きと左利きがあるのと同じように、選手たちにはそれぞれ得意とするスタンスがあります。
その選手にとって本来の得意な方のスタンスを「メインスタンス」といい、それとは逆のスタンスで滑走している状態を「スイッチスタンス」といいます。
レギュラースタンスが得意な選手の場合、レギュラースタンスがその選手にとってのメインスタンスになり、グーフィースタンスがスイッチスタンスに当たります。
同じトリックを実施しても、メインスタンスで実施するのとスイッチスタンスで実施するのでは評価が異なります。
ですから選手も審査員も、常にスタンスのことを念頭に置いて競技し、採点しているわけです。
観戦する上でも、スタンスを意識しておくことによってより深く競技を楽しむことができるでしょう。
オリンピック新競技スケートボードの注目選手を紹介!
今回のオリンピックで注目したい選手を男女ともにご紹介します。
ぜひ、みなさんも注目選手を少しでも知って、一緒に日本代表選手を応援しましょう!
堀米雄斗選手
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今回のオリンピックでの注目選手としてまず挙げられるのは、男子の日本代表の堀米雄斗選手です。
堀米選手は1999年生まれの22歳、6歳でスケートボードを始め、国内で活躍したのち、高校卒業を機に渡米すると、世界最高峰のストリート・リーグなど数々のコンテストで優勝し、またたく間に世界のトップ選手に躍り出ました。
特にストリートを得意にしますが、パークもこなすオールラウンダーです。
この6月にイタリアで開催された世界選手権でもストリートで優勝を果たし、調整も順調に進んでいるようです。
オリンピックにも金メダルの有力候補として臨むことになります。
自国開催のオリンピックは一生に一度あるかないかの絶好のチャンスと語る堀米選手、本番でどのようなパフォーマンスを見せてくれるか、今から楽しみですね。
平野歩夢選手
男子でもう一人注目したいのが、平野歩夢選手です。
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平野選手はスノーボードのハーフパイプで冬季オリンピックに2度出場し、いずれも銀メダルを獲得しています。
スケートボードは子どものころに慣れ親しんでいて、平昌オリンピック後に本格的に取り組み始めると、一気にトップ選手として頭角を現しました。
特にパークを得意とする選手ですが、エアでの感覚はハーフパイプと通じるものがあるのかもしれませんね。
夏冬のオリンピックに出場するのは日本選手では5人目、男子では2人目の快挙です。
もしメダルを獲得すれば、夏冬両方でのメダルは日本選手では初めてになります。こちらも活躍が楽しみな注目選手です!
岡本碧優選手
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四十住さくら選手
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開心那選手
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女子は特にパークに有力選手がそろっていて、出場が予定される岡本碧優選手、四十住さくら選手、開心那選手はいずれも世界のトップクラスの実力の持ち主です。
メダルの有力候補が日本に集中している状況で、表彰台の独占も夢ではありません。
3人ともまだ10代、若い力のたくましさに驚かされますね。
本番のパフォーマンス、そしてどんな結果を残してくれるかをドキドキしながら見守ることになりそうです。
アメリカ発祥のスポーツだけあってアメリカに強豪選手が多く、近年はヨーロッパ諸国やブラジル、オーストラリアなどが力をつけています。
その中で日本の選手たちも男女ともトップクラスの実力で渡り合っています。
この状況は、応援にもいやが上にも力が入ってしまいそうですね。
【おまけ】東京オリンピックの豆知識♪
今回紹介したスノーボードを含めた5種目が、東京オリンピックに追加された経緯を簡単にご紹介しますね♪
5つの追加種目とは、野球・ソフトボール、空手、スケートボード、スポーツクライミング、サーフィンです。
このうち野球・ソフトボールは、2008年の北京オリンピックまでは実施されていたものの、2012年のロンドンオリンピック以降は削除されていたのを復活させたものです。
残りの4つの競技は、オリンピックでは初めて実施される、まったくの新競技ということになります。
実は今回のオリンピックから、開催国には追加種目を提案する権限が与えられることになったのです。
そしてその提案が国際オリンピック委員会(IOC)によって承認されると、競技が実施されることになります。
この新たな仕組みによって選ばれたのが、今挙げた5つの競技というわけです。
今回日本が提案した競技の組み合わせを見ると、日本発祥の格闘技である空手、日本で人気の高い野球とソフトボール、そしてそのほかの3つは特に若者に人気のある競技です。
日本のスポーツ文化を広く世界のスポーツファンにアピールしたいという狙いと、若い世代にオリンピックに関心を持ってもらいたいという意向がうかがわれますね。
まとめ
以上、東京オリンピックの新競技、スケートボードについてご説明してきました。
競技としてのスケボーにはなじみのなかった方も多いかと思いますが、見どころを知るのに少しでもお役に立てたでしょうか。
日本のスポーツファンには非常に楽しみな状況で迎える大会ですので、予備知識も抜かりなく準備しつつ、観戦を心ゆくまで楽しみたいですね。
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